心身共に健康な生活を願って
生まれは京都市の田舎。田畑に囲まれた環境で育った安田さん。日々、仕事に明け暮れていた暮らしから、日の出とともに起床し、日の入りとともに就寝する健康な生活を送りたいと願うようになった。
仕事や子育てが落ち着いた頃から本格的な移住を検討。以前からリフレッシュに訪れ、食べ物がおいしく、自然豊かで、人が温かいと感じていた丹後半島を移住先に決め、農薬を使わない野菜を育てられる理想の場所を探すこととした。
手付かずの自然が誘い
平成29年秋、移住先を決めるという強い信念を心に抱き、京都府主催の移住体験ツアーに参加。再三訪れていた宮津市は、理想の地に近く、地域の人しか知らない秘境。ガイドブックにない自然。良い意味で手付かずの自然があることから選んだ。
移住者は女性1人
女性1人の移住は、不安を抱くことも多かった。起業を目指して移住したものの、実際は移住していきなり起業するのはとても厳しい状況。まずは地域の信頼関係を得ることが大切で、そのための時間が必要だと感じた。
移住したい人、移住している人、地元の人達が自然に交流できる場が多くあればうれしいと話す。“The交流会”のような作られた空間でなく、自然な関係の中、作業などで一緒に汗をかき、何かを作り上げることは、信頼関係を築く近道。田植え体験なんて魅力的ですよね。
宮津の暮らし
車は必需品。ないと暮せません。スーパーは少し遠く、夜に外へ出ると真っ暗。クマの出没情報があると外へは出られません。
一方で、地域の皆さんには気にかけていただき、一人やけど一人やない。何事も一生懸命に取り組むほど良くしていただけると実感。地域のつながりは心強いですね。
これから
昨年、オリーブやみかん等の栽培やオリーブ苗木販売などに取り組むフロンティアファームファクトリーを立ち上げ、汗を流す。また市内のオリーブ生産者の組織では、商品開発部長を任されている。
最近では、若手農業者5人が集まり、小規模ながらオリーブの栽培管理を任された。1人ではしんどいことも5人集まれば何とかなる。このメンバーで何か新しいことが生まれると信じている。
今春、イタリアに1ヶ月滞在し、オリーブ栽培の基礎を学んだ。この経験を活かして日本とイタリアの架け橋役になれたらいいなぁ。と夢を膨らませている。