相手のことを考えて、相手の希望通りではなかったとしても、自分の経験から本音で話す。
(泉さんは、舞鶴市の西方寺平地区で60年以上、農業を営んでおられる大ベテラン農家。約20年前から移住者の受入れを積極的に行って来られました。地域住民も当時は受入れに抵抗があったものの、泉さんの精力的で誠意のある活動に、いつしか理解を得られるように。今では泉さんの人柄に惹かれ、西方寺にやってくる若者でいっぱいになりました。そんな泉さんに、活動について聞いてみました)
― この活動を始めたきっかけはなんですか?
農業委員で農地のあっせんとかやっていて空き家の相談を受けたのがきっかけ。10年、20年先の村の存続のためには、新しくこの村へ外から人を呼び込む必要があると思って始めた。
― 移住者と接する時、気を付けていることはなんですか?
本音で話すということ。「良い所ですよ」とか、農業をやりたい人に対して「何とかなる」とか、上っ面のことを言っても相手のためにはならない。相手のことを考えて、相手の希望通りではなかったとしても、自分の経験から本音で話す。
― 活動をしていて感じることを教えてください。
やっぱり、村に若い世代が来てくれるのは嬉しい。
しかし、移住者を受け入れるための空き家を確保することに苦労する。貸してもいい、という人がいたら会いに行ってお願いをするが、それで貸してくれる家主もいれば、「盆や正月に帰ってくるから」とか、「もう住むことはないが、生まれ育った家で思い入れがあるので譲りたくない」と言われることも多い。あとは、移住希望者の相手をしている時は、相手の人生にも深く入り込む必要があるからつらい話を聞く時はしんどいけど、本音で向き合うには仕方ないと思っている。
― 移住者が来て、地域はどう変わりましたか?
活気が違う。年寄りしか居なかったのに、移住者には子供が3,4人居て、20人くらい若い世代が増えた。苗字も霜尾と泉しかなかったのに今はいっぱいある。
― 移住者に期待すること、言いたいことはなんですか?
ずっとここに住んでほしい。それだけでいい。