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Post Date / 2024.10.29 Tue

田舎に移住して農業を始めるのに福知山市がおすすめな理由5選

地元民が移住者さんにインタビューして作成! 田舎に移住して空き家物件を購入し、自然を感じながら農業をしたい、という方におすすめの2つの町をご紹介するコラムです。こちらでは京都府北部の「福知山市」がおすすめの理由について、実際の移住者さんの声を交えながらご紹介いたします。
»京丹後市編はこちら

田舎で農業を始めると言っても、田舎は全国無数にあります。では田舎ならどこでも同じか? というと、意外にそうでもありません。水が合うところ、描いている生活スタイルに合うところなど、やはりご自身に合った地域を選びたいですよね。移住先を選ぶ上で、本記事が少しでも参考になれば幸いです。

生活利便性と広い農山村地域が共存する福知山市

福知山市は京都府北部に位置する人口約74,000人の自然豊かなまちです。2006年に旧福知山市と三和町、夜久野町、大江町の3町が合併して誕生しました。京都府北部の中で福知山市は合併前から比較的大きく、生活利便性が高いまちです。そこに、広い田畑や美しい山々を持つ3つの町が合併したことで、市街地と農山村地域が隣接するまちとなりました。

地域の農業振興への取り組みも活発で、新規就農者を支援する制度や、移住者の定住支援制度も充実しており、家賃補助*1やリフォーム費用*2の補助もあるため、移住後の生活の立ち上げがスムーズです。

まちの中心部にはショッピング施設や医療機関が充実し、京都市や大阪市へのアクセスも良好です。また、市内には由良川や大江山などの自然環境があり、季節ごとに美しい風景が広がり、川遊びや登山などを楽しむことができます。こうした自然に囲まれた環境は、家族連れで自然体験を楽しむのにも最適です。

(*1)家賃補助:京都府の担い手養成実践農場整備支援事業になります。
(*2)リフォーム費用の対象などについて、詳細は補助金情報

福知山市三和町に農業移住した森口さん

ご家族と共に京都市内から三和町に移住し、農業を営みながら現在子育て中という森口さん。ご夫妻共に20代と若くして就農。2人の子どもとともに田園風景ライフを満喫されています。

大学時代にご結婚され、京都市内での生活を経て、いつかは田舎で暮らしたいという思いが高まっていったそうです。農業や自然豊かな環境での子育てを夢見て移住を考える中で、コロナ禍に、三和町のお試し住宅を見つけて移住を決意されたそうです。

そんな森口さんは、実際に三和町に移住されて、現在どのように感じておられるでしょうか? 森口さんのお話も交えながら、福知山市が農業での移住におすすめな理由をご紹介していきます。

おすすめの理由① 広い農地と地域の特産品がある

森口さんが移住された福知山市三和町は市街地から南東に位置します。三和町では昔から「万願寺甘とう」と「三和ぶどう」が特産品として知られています。

森口さん
今は万願寺甘とうを作っています。移住して(三和町の特産品が)万願寺甘とうと三和ぶどうだということを知りました(笑)。夏がすごく忙しいそうで、万願寺甘とうの農家さんから手伝ってみないか?と言われて。
京都府の担い手養成実践農場整備支援事業を活用して万願寺甘とうの技術を2年間研修を受けて、2024年2月に卒業して、4月から就農しました。今はハウス3棟で、300本ですが、いずれは1,500本にしたいと思っています。ぶどうもやりたいので、2本柱でやっていきたいと思っています。来年の春に植える予定です。
農業、大変だけどすごい楽しいです。

万願寺甘とうは需要も多く、農家さんは忙しいようですね! 森口さんは以前、農業に触れたことはあったようですが、実際に就農するのは今回が初めて。上記の担い手養成実践農場整備支援事業など、新規就農者を支援する制度を使って、農業の技術を身につけられたようです。

福知山市三和町はどんなところ?

三和町は雲海が見渡せる鹿倉山をはじめ自然が多く、前述のとおり特産品として糖度16度以上で濃紺の大粒ぶどう「三和ぶどう」や、種が少なく甘い「万願寺甘とう」があります。のどかな田舎でありながら、製造工場が集まる長田野工業団地アネックス京都三和が所在し、産業と雇用を生み出しています。

小中一貫校の三和学園、京都府立福知山高等学校三和分校があり、子育ても十分できる環境です。

地域住民が協力して農地を管理「農事組合法人かわい」

三和町の川合地区では、高齢化による耕作放棄地が増えたことをきっかけに、農地を管理できる農業法人として平成21年に「農事組合法人かわい」が設立されました。

地域の農地を共同で管理・運営する「集落営農組織」として、地元農家や農地所有者との調整を行い、耕作地の回復・維持を推進しています。現在、設立当初の6haから20haにまで耕作面積を拡大し、地域農業を支える基盤を強化してきました。

川合産の農作物は、農事組合法人かわいでの買い取りやJAに出荷されています。また、川合ふれあいセンター内に農産物加工所が設置されており、農作物の加工販売も可能です。

このように、三和町の中には地域農業の維持、活性化に対しても積極的な地域もあります。

おすすめの理由② 田園風景はまるでトトロの世界?

森口さん
イメージしていたのが「家の前が田園風景」という場所で、それが田舎暮らしの絶対条件でした。最初、夫が通った大学があった町に行ってみたんですが、湖があったりして、想像していた田舎と違って。
自分の中の憧れが、トトロの世界で。ここは、鳥の声で、ああ夏やなあと音だけで感じることもあるし、カエルとか鈴虫の鳴き声とか。星も綺麗です。都会ではバイクとかがうるさかったですけど、夜は静かですね。お庭のほうに鹿が来たりして、ガサガサいっていることもあります。

森口さんは、田舎での生活といっても、明確なイメージをお持ちだったようですね。確かに、田舎に行けばどこでも「目の前が田園風景か」というと、そうではないところもたくさんあります。自宅と農地が離れていることも多いので、森口さんのように明確なイメージを持つことで、移住先は決めやすくなるかもしれません。

三和町は多くのエリアが山に囲まれており、どこにいても山が見えるロケーションです。国道を車で走っていても、常に左右が山。初夏には新緑が輝き、秋には紅葉に囲まれるような場所です。山々の表情の移り変わりが心を美しく整えてくれることでしょう。

おすすめの理由③ 京都府の農業関連の支援制度が受けられる

さて、農業としての可能性やロケーションなどがマッチングできたとしても、やはり気になるのは資金面かと思います。森口さんも、京都府の就農支援を活用して農業を開始されたようです。

森口さん
ハウスにしても、農機具にしても、農業は先行投資と言われていて、軌道にのるまではお金がついてこなかったりと、時間がかかると思います。
京都府の制度で、1人年間150万円、夫婦だと年間225万円の補助金が2年間あって、就農してからも3年間、合計5年間。それとは別に3年間で500万円という補助金もあって、それはハウスとか機械買うのに使う支援金になります。
仕事もやめて移住してきているので、一からというのもありますし、それだけ支援があるのは助かります。

これは福知山市に限らず、京都府の支援になりますが、新規就農者に対して手厚い制度がありますね。

新規就農者育成総合対策の就農準備資金
新規就農者育成総合対策の経営開始資金
新規就農者育成総合対策の経営発展支援事業

空き家の購入・改修などの補助金も

森口さん
最初にお試し住宅を見つけて、そこに住みました。人気で倍率が高かったですが。1年間、7万円ちょっとで住めて、すごくきれいな家でした。そこに住みながら、空き家を探していました。それでこの家を気に入って購入しました。家の価格は220万円でした。
改修に300万円必要だったんですが、180万円の補助金で、トイレを水洗に変えたりしました。

上記のように、就農支援とは別に、空き家を購入し、改修する場合にも補助金が用意されています。こちらは福知山市の制度で、空き家情報バンクに登録されている物件のキッチンやお風呂など、生活に必要な改修を行う際に補助が受けられます。
»福知山市の空き家改修関連の補助金情報はこちら

おすすめの理由④ お米や新鮮な野菜・フルーツが美味しい!

三和町は山間部の町なので、山からのきれいな水でお米や野菜が美味しく育つそうです。森口さんはどう感じておられるでしょうか?

森口さん
みんな言うんですけど、お米、美味しいですね。うちはスーパーで買うんじゃなくて、夫の会社で作っているお米を買っています。
この辺の人たちは、自分で作ったお米を食べています。みんな、スーパーのお米とか食べられへんと言っています(笑)
野菜も新鮮なとれたてをもらったりしています。

この地域の方々は、自然な形で地産地消をされているようですね。やっぱりすぐ近くでとれた、新鮮なものにかなうものありません。お料理は、素材そのものの良さに大きく左右されますね。

三和町は前述のとおり、三和ぶどうや万願寺甘とうが特産品ですが、もちろんそれだけではありません。地元農家さんでは、水菜、小松菜、ほうれん草、じゃがいも、ナス、キャベツ、白菜、トマト、オクラ、黒大豆、小豆、栗、ふき、ブルーベリー、イチゴなど様々な農作物が育てられています。栗があるのは、山間部の町らしいですね。

おすすめの理由⑤ 馴染みやすい地域コミュニティ

地方に移住すると、地域のルールに従わないといけない、逆によそ者に冷たくされる…など、人づきあいが大変、というイメージがあることをよく聞きます。森口さんが移住された福知山市三和町はどうでしょうか?

森口さん
都会にいたときもそれなりに楽しかったんですが、一歩家を出たら他人、というか。無意識に窮屈に感じていたのかもしれないです。
こっちに来てからは、バスの運転手さんも知り合い、みたいな。ご近所の宅配のお弁当屋さんも、大変やろって気にかけてくれて、いろいろ持ってきてくれたりとか。人づきあいが大変とかは、ここはそんなにないかな? 強制的に行事に出なさいということは無いですし。
ただ、農地は借りているので、草刈りとか溝掃除とかは出るようにはしていますね。お水を使わせてもらっているので、負担というより当然のこととして。

よくあるイメージとは異なって、自然な心遣いや適度な距離感があるようですね。福知山市に限らず、京都府北部に移住された方はよく「人が優しい」とおっしゃられます。三和町も同様に、おおらかな空気感が流れているようです。

子育てにも大きな変化があった移住


森口さん
主人は都会にいたときは残業もあって、私と娘2人でご飯を食べてお風呂入って寝かしつけて…という感じでした。今は主人も6時くらいに帰ってきて、全部一緒にできています。
私は夏は忙しくて、子どもたちが寝ている間に朝畑に行って戻って、学校から保育園に行ってからまた行く、みたいな感じでした。でも、それを苦に感じてないんです。楽しいというか、充実した生活を送れているんやろうなと思っています。
家が広いので、子どもが自由に遊べるんですよ。ドッジボールしたり、おにごっこしたり。公園に行かなくても、体を好きな時に動かせて、うるさいと言われることもないので。それも良かったと思いますね。

都市部での生活スタイルと田舎での生活スタイルで、ここまで変わるのか、と思いますが、実際にかなり生活リズムが変わっておられるようですね。忙しくても、充実した忙しさであることが見て取れます。

そして、多くの古民家は、やはり広い! 農業地域ならなおさら、大きな家が多いことも1つの特徴です。都会でマンションの2階、3階に住んで子育てをしている方は、1階の住民への迷惑を常に気にして生活しないといけない、というお話は本当に多いです。地方での一戸建てならもちろん、そんな心配もなく、多少子どもたちがはしゃいで騒いだとしても問題はありません。そういった意味でものびのびと子育てできると言えます。

まとめ:農村と市街地が隣接する、自然豊かな福知山市

広い農地がある農村地帯と、商業施設や医療機関などが充実した市街地の両方がある福知山市。自然豊かな環境と生活の利便性が共存しています。福知山市や京都府は農業振興や移住支援に力を入れており、新規就農者に対する制度や空き家の改修支援も充実しているため、田舎で農業を始めたい方にとって便利な場所です。

三和町に移住した森口さんも、様々な支援を受け、農業をしながらのびのびと子育てをされています。特に三和町は、豊かな田園風景と美しい山々が広がるエリアで、「トトロの世界」を思わせるような自然の中でのびのびと生活できることが特徴です。福知山市には他にも夜久野町、大江町といった自然豊かな町がありますので、ご自身の趣向に合った場所が見つかるかもしれません。

特に山の風景と調和した田園風景の中で暮らし、農業をしたいと思われている方。また、のどかな田舎で生活したいけど、時にはまちにも出かけたいという利便性の面も考慮される方。移住先として、福知山市を検討してみてはいかがでしょうか?