田舎暮らしを実践するライターが舞鶴市の移住者さんをインタビューして作成!田舎に移住して、自然の中でのびのびと子育てをしたい、という方におすすめの2つの町をご紹介するコラムです。こちらでは京都府北部の「舞鶴市」がおすすめの理由について、実際の移住者さんの声を交えながらご紹介いたします。
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自然の中でのびのび子育てをするほうが、優しい子に育つのでは…そうイメージされる方も多いことと思います。一方で、田舎に引っ越すと不便じゃないか?地域に馴染めるかな…など、いろんな不安があることでしょう。本記事がそういった不安の払拭に少しでもつながれば幸いです。
目次
リアス式海岸が美しい魚介水揚げ量No.1の港町

舞鶴市は京都府北部の日本海に面した港町で、人口は約75,000人。市は東舞鶴と西舞鶴の2つのエリアに分かれていて、東舞鶴には日本海側唯一の海上自衛隊基地があり、軍港の町としての歴史があります。西舞鶴は、戦国時代に細川幽斎(藤孝)が築城した田辺城跡もあり、古くから続く町並みや建物が残っています。
舞鶴市は美しいリアス式海岸に囲まれており、豊かな漁場から新鮮な魚介類が多くとれることで知られています。魚介の水揚げ量は京都府内No.1を誇り、京都府唯一の「地方卸売市場」が設置されている港があります。
紅葉で有名な舞鶴自然文化園や、戦後引き揚げ者を迎えた歴史を伝える舞鶴引揚記念館などがあり、自然と歴史を感じることができます。交通網も整備されており、JRや高速道路を通じて京都市や大阪市へのアクセスも便利。自然豊かな環境と利便性のバランスが取れた地域です。
ご主人の転勤をきっかけに移住した吉川さんご家族

ご家族で舞鶴市に移住された吉川さんは、ご主人、奥様と3歳になる息子さんとの3人家族です。現在のお住まいは舞鶴市の「お試し住宅」ですが、この住宅をお試し期間終了後も賃貸、もしくは購入で住み続けることを検討されているほど、気に入っておられます。
もともと、自然や海の近くでの暮らしに魅力を感じておられ、市場や野菜関連のお仕事をされていたご主人の転勤をきっかけに(同じ京都府北部エリアの)福知山市に移住。福知山市の生活は便利でよかったとのことですが、より海の近くに住みたいという想いから、この舞鶴市への移住を検討されました。福知山市にお住まいだった頃から、舞鶴市の子育て交流施設「あそびあむ」に通っておられたことや、この広々としたお試し住宅に入れるといったこともあり、舞鶴市への移住を決められました。
そんな吉川さんご家族が感じておられる舞鶴市の魅力を通じ、子育て世代におすすめできる理由をご紹介していきます。
おすすめの理由① 子どもに優しい子育て施設や自然の遊び場

舞鶴市での子育てと言えば、まずは充実した子育て関連施設と、自然を満喫できる遊び場があることが特徴と言えるでしょう。舞鶴市の子育て交流施設「あそびあむ」はその規模と遊び道具の多さなど、地元住民に大人気です。舞鶴市だけでなく、近隣市町からも車で数十分かけて遊びに来る人が多くいます。

他にも、親海公園のミニビーチで遊んだり。最初は海が怖くて泣いてましたけど(笑)、山に行ったり、川に行ったり、どろんこになって遊んで楽しそうにしています。子どもはこっちに来てから表情豊かになって、本当によく笑うようになりました。歌って踊っています。
都会にいたときは、自分たちも近所に迷惑かけたらダメと思って、ピリピリしていたのかも。

やはり吉川さんたちにも、あそびあむは好評のようですね!あそびあむはすぐ横に保育所があり、子育て世代としてはとても安心な環境です。
あそびあむは体を動かして遊べる「動のエリア」や木の玉プール、絵本コーナー、おままごとコーナー、大きな滑り台や砂場、いろいろ作って遊べるコーナーなど、遊びが本当に充実しています。面積もかなり広く、お子様がのびのびと過ごせます。
海、山、川すべて揃う自然の豊かさ

舞鶴市は、海・山・川すべての自然環境が揃っているため、子育てに理想的な場所です。まず海については、日本海に面した「舞鶴湾」があり、夏には竜宮浜海水浴場や神崎海水浴場などで海水浴を楽しむことができます。お子様が少し大きくなれば、舞鶴親海公園などでアジなどのファミリーフィッシングも。舞鶴親海公園には大型遊具もあって、子どもたちが集まるスポットです。
舞鶴市は山も多く、特に五老ヶ岳公園から見る舞鶴のリアス式海岸の景色は絶景。青葉山ろく公園ではアスレチック施設や子どもも楽しめるグラウンドゴルフやキャンプ場などがあります。また東舞鶴の中心部を流れる与保呂川沿い、約7kmにわたって咲き乱れる桜並木「与保呂川の千本桜」は、舞鶴一の約1,000本!これまた絶景で、春にはお花見で賑わいます。
また舞鶴市には五郎の滝など、川遊びができる渓流もあります(川遊びの際には念のためライフジャケット着用をおすすめいたします)。子どもたちにとって、海・山・川が全て近い距離に揃っている舞鶴市は、自然に囲まれた中でのびのびと育つ環境と言えるでしょう。
おすすめの理由② 子どもが走り回れる!広々、安価なお試し住宅

舞鶴市には6棟のお試し住宅があり、舞鶴工業高等専門学校の研究室の学生設計のもと改修が行われているので、低予算ですぐに住めるのが大きなメリットです。入居募集のタイミングが合えば、広くて使い勝手のいい住宅に住むことができます。
吉川さんご家族も、舞鶴市のお試し住宅に入居されました。

マンションの2階に住んでいた頃は子どもが走り回ると迷惑にならないかと心配だったのですが、ここなら広いので大丈夫です。上下水道が高いイメージがあったけど、そうでもなかったです。


非常に安価な家賃で、広い家に住まれているようですね!確かに、何部屋もある住宅ですし、一部屋も広い。お子さんにとっては自由に遊び回れる空間ですね。お子さんはトミカが大好きとのことで、お部屋にたくさん飾られていました!
学生たちが協力してつくるお試し住宅


舞鶴市のお試し住宅は、舞鶴工業高等専門学校の学生たちにとっては学びの一貫として活用でき、入居者にとっては安価に借りられる。素晴らしい取り組みですね。
お試し住宅は、市がまちなかの空き家を借り受けて改修し、移住者の方に貸し出す事業として展開されています。通常、古民家などに住みたい!と思っても、改修費が数百万円以上かかることが多く、初期費用がかさむことがデメリットです。舞鶴市のお試し住宅はその点のデメリットを解消した取り組みとなっています。
おすすめの理由③ 奥様に車がなくても比較的便利なエリア


京都府北部の町の中では、舞鶴市は電車・バスなどの公共交通が比較的便利な町です。電車はJRのほかにローカル線の京都丹後鉄道が。バスは京都交通/日本交通の路線バス・高速バスがあり、京都・大阪・神戸にもアクセスしやすい環境です。

高速バスで、息子と二人で神戸などにも行きました。片道2,400円くらいで、1時間から1時間半くらいで行けるので。
息子は以前はぜんぜん喋らなかったんですけど、爆発的に話すようになりました。
吉川さんたちが入居されたお試し住宅は、JR東舞鶴駅やショッピングモール「らぽーる」まで徒歩でも10分程度と、非常に便利な場所です。便利な場所でも、広々とした一戸建ての古民家があるので、田舎暮らしの中にも利便性がある地域ですね。
もちろん、舞鶴市は広いので、駅近以外にも様々なエリアがあります。吉川さんご家族もご主人は車をお持ちなので、一家に全く車が無い生活は難しいかもしれません。しかし吉川さんのように、住む場所によっては奥様は車無し、という生活も考えられるということですね。
おすすめの理由④ 人が穏やかで優しい地域性

京都府北部の人たちは、地域性なのか、穏やか、おおらか、優しい人が多いと、多くの移住者さんが口を揃えておっしゃられます。よく、田舎だと村のルールに従わないといけないとか、閉鎖的だとか、そういうイメージがあるようですが、舞鶴市はそんなことはないようです。

町内会のサロンで、地域のみんなで防災とか、ゴミの分別とか、いろいろ勉強したりしています。地蔵盆もみんなで出店して、花火を上げたり。初めて参加して面白かったですね。みんなで地域を盛り上げよう、という人たちが多いですね。
お店の人も、接客が丁寧なように思います。
吉川さんが移住された東舞鶴の地域は、地域活動も非常に活発ながら、自主的に参加したくなるような雰囲気のようです。
少なくとも、現在の京都府北部の人たちは、よそ者に対して冷たくしたり、過度のおせっかいや、プライベートに土足で入り込むような人たちではありません。もちろん都市部に比べれば、人と人との距離が近いのは確かです。でもそれは、純粋な優しさがベースになるので、移住者さんにとっても気持ちのいい距離感のようです。
おすすめの理由⑤ 魚やかまぼこなど美味しい海の恩恵

舞鶴市には大きな港があり、魚の水揚げ量は京都府でトップを誇ります。魚種も豊富で、カニ、ブリ、カレイ、ヒラメ、マダイ、アジ、白イカ、カレイ、サワラ、のどぐろ、沖ギス、甘鯛、牡蠣、さざえ、とり貝…など、書ききれないほど。京都府唯一の「地方卸売市場」があり、新鮮な魚介が並ぶ大型の海鮮市場「とれとれセンター」は、観光客の方も多く訪れます。
地元の飲食店でも「舞鶴のさかな」を積極的に扱い、新鮮なお刺身や海鮮丼、寿司、煮付け、焼き物、揚げ物、蒸し物、鍋料理などあらゆる種類の魚料理が楽しめます。

ここに来る前は、子どもが食べない、飲まないで、すごく不安で泣いてしまうこともあったんですが、こっちに来て給食とかもいっぱい食べるようになりました。私たちものびのび穏やかに暮らせてるから、この子ものびのびできるんだと思います。
息子さんも、しっかり食べられるようになってよかったですね!栄養満点の「舞鶴のさかな」もどんどん食べられるようになるといいですね!
舞鶴のさかなを身近に感じられる施設

前述の海鮮市場「とれとれセンター」は観光客に人気ですが、地元の方ももちろん訪れます。様々な種類の魚介類に触れられるので、お子様とのお出かけにもおすすめです。舞鶴で水揚げされた新鮮な海鮮をその場で焼いて食べられるコーナーも。
舞鶴かまぼこ手作り体験は、自分でかまぼこやアツアツの平てん、焼きたてちくわを作って、その場で食べられる体験施設です。かまぼこがどのように作られるのか?という食育的な意味もあり、お子様の体験学習としてもおすすめです。
歴史ある赤れんがの倉庫群

舞鶴のシンボルといえば、やはり「赤れんが倉庫群」です。赤れんがの町並みの中に入り込める「舞鶴赤れんがパーク」は、お子様連れでもおすすめです。不思議な魅力を持つ赤れんが造りの倉庫群、その歴史は120年以上にわたり、多くの映画やドラマのロケ地にもなっていて、菅田将暉さん主演「アルキメデスの対戦」、山田涼介さん主演「鋼の錬金術師」、青山剛正原作劇場版 名探偵コナン「絶海の探偵(プライベート・アイ)」や、目黒蓮さん主演「わたしの幸せな結婚」など多数です。
日本遺産にも登録されている赤れんが倉庫群は、明治時代から残る海軍の倉庫群です。現在赤れんが倉庫群の8棟は重要文化財に認定され、そのうち5号棟を赤れんが博物館、カフェ、お土産売り場などの他に不定期でライブイベントやアートフェスタなども開催しています。
まとめ:子育て環境が充実した海も山もある港町

美しいリアス式海岸と豊かな自然環境の町、舞鶴市についてご紹介しました。市内の子育て支援施設「あそびあむ」は広々とした遊び場がとても人気で、子育て世代の方にはとてもおすすめです。舞鶴は海、山、川が揃った自然豊かな場所なので、夏には海水浴や釣り、山遊び、川遊びが楽しめ、子どもたちが四季を通じて自然と触れ合う機会があります。また水揚げ量No.1を誇る「さかなの町」でもあるので、新鮮な魚が日常的に手に入るのも魅力です。
人々も親切・穏やかで、町全体があたたかい空気感に包まれています。地域行事や勉強会、地蔵盆といったイベントで地元の人たちと自然に触れ合える環境が整っており、移住者にとっても居心地の良さが感じられる町です。
歴史と自然、そして適度な便利さが調和したこの町で、地域の温かさを体感しながらのびのびとした子育てができることでしょう。子育てしやすい町、海の近くの町、田舎暮らしがいいけど、田舎すぎず適度に便利な町がいい、という方は、ぜひ一度舞鶴市を検討してみてはいかがでしょうか?