田舎で昭和レトロな暮らし
2024年の春に空き家を購入して、2拠点生活を始められた
かずみさんにお話を伺いました。
ーーどこから移住されたんですか?
かずみさん:京都市内からです。今は京都市内と
ここ与謝野町の間を行ったり来たりしています。
私は京都市で英語教室を経営していて、
パートナーと高校2年生、中学2年生、
小学2年生の子どもたちが京都市内で暮らしています。
去年の夏から京都市と与謝野を行ったり来たりしていて、
この家は今年の春に購入しました。
週の半分くらいはこっちで過ごしています。
また、毎月一回は英語教室の生徒を連れてきては与謝野町・
伊根町の豊かな自然と、古き良き昭和の田舎暮らしを
子ども達に体験してもらっています。
夏休みには3、4回くらい連れて来ましたね。
生徒達にもスマホから離れた時間と、楽しい体験をさせてあげたいですね。
ーー移住を考えたきっかけは何ですか?
実は私には不登校の次男がいます。
以前は無理にでも学校に行かせようとしていたこともありましたが、
児童相談所の先生にも相談をしながら、集団生活が苦手な息子に合った
自然豊かな所でのんびりと過ごさせてあげたいと思うようになりました。
息子は自然や生き物が大好きで、よく一人で絵を描いています。
そんな息子にとっては田舎での生活はとても合っているようで、
与謝野町の自然や生き物、満天の星空をみては
生き生きとする息子の様子をみて移住を考えました。
また、当時は私自身も英語教室の保護者対応などで
1日中スマホで仕事をしていることが多く、スマホから
少し離れた生活をしたいと思ったタイミングでもありました。
慌ただしい日常から離れて、自然の中でのんびりしたり、
趣味のバイクに乗ったり、古民家暮らしを楽しみながら、
スマホから離れた生活をしたいなと考えました。
ここは本当に落ち着きます。
季節を感じながら過ごし、カエルの鳴き声や虫の声を聞きながら
寝るのはとても贅沢です。ここに来る前はYouTubeで
ヒーリングの音を聞いて寝ていましたが、
ここでは自然に蛙や虫の心地よい合唱が聞こえてきます。
(DIYされた外が眺められる足湯)
(DIYで作られているドラム缶のお風呂)
ーーどうやってこの場所に決めたんですか?
はじめのきっかけは息子二人で伊根町に観光できたときです。
透き通る海に青い空。
その日は1日中釣りをして過ごしました。
息子も「夢みたいな所だね」と言っていました。
最初は伊根町がいいなと思っていたのですがちょうどいい物件がなく、
隣の与謝野町にお試し住宅があることを知り、
早速問合わせをして、まずは一か月住んでみました。
それから、地区長さんから築80年の古民家を
紹介していただき、ほぼ0円でこの古民家を譲り受けました。
私が住む前は空き家で20年くらい誰も住んでいなかったので
改修工事が必要でしたが補助金制度があったので助かりました。
今はまだ子ども達の学校のことがあるので京都市内と
与謝野町を行き来していますが、
いずれは家族全員での完全移住する予定です。
ーー実際に移住してみてどうですか?
とても気に入っています。全部、ほんとうに。
自然もいいし、海も近いし、人もとても親切です。
伊根町や天橋立は観光地として有名ですが、
ここは、観光客もそれほど多くなく、昔の日本がそのまま残っています。
近くの川には梅雨の時期になるとホタルも出ます。
この陸王のバイクを運んできたとき、トラックから一人で
降ろすことができず困っていたら一緒に手伝ってくれました。
また、改修工事では私が昭和レトロな感じにしたいと伝えると、
伝統工法の竹小舞で土壁を作れる左官屋さんを探してきてくれて、
土壁の素敵な空間ができました。
左官屋さんは20年ぶりの仕事だと笑っていましたね。
大好きな物に囲まれた暮らし ※写真は昭和30年式 陸王750
ここでの生活も、地区長さんやご近所さんが居てくれたおかげで、
寂しい思いをせずにすんでいます。
この地域の人たちは本当に優しくて、
よく田舎はよそ者に冷たいと聞きますが、
ここはそんなことはありません。
向かいの家も隣の家も、みんな親切な方ばかりです。
田舎での行事や掃除に必ず参加しなければいけないとなると大変ですが、
私は参加できるものは参加して、難しいときは丁寧にお断りをして
バランスを大事にしています。
先日は地域の文化祭の手伝いに参加をして、私はバルーンアートをしました。
前職で保育士だったころにバルーンアートはたくさん練習しました。
実は私はTikTokで「田舎のかずみ」というアカウントで
昭和レトロな田舎暮らしを発信していています。
先日は私のフォロワーさんが千葉県から子ども達を連れて
移住をしてくることになりました。
これからも与謝野町の移住アンバサダーとして田舎暮らしの良さを
配信していきたいと思っています。
田舎暮らしに憧れる人は近年多くなっていると思います。
ただ、実際生活をするとなると移住には住む場所と仕事が必要です。
そこで私は移住を希望される方と与謝野町の活性化の架け橋となり、
双方にとってよいご提案ができたらいいなと思っています。
いつまでも自然豊かな与謝野町でありますように、
そしてたくさんの方がこの町を知って移住を考えてくれたらうれしいです。