たんたんターン 京都府

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Post Date / 2024.11.11 Mon

下林さん〈農業〉  京丹後市

健康は、何を食べたかが大きなポイント。自分でできることから。

令和3年に京丹後市に農業移住をされた、
下林さんにお話をうかがいました。

ーー移住を考えられたきっかけは?

下林さん:以前は、京都市で20年近く整骨院をしていました。
お世話になった 救急医療の恩返しで 始めたものです。
天職 かも!!と喜んで取り組んでおりました。

やるからには 良質廉価で、自分の行きたい 院にしよう !
という コンセプトの下、目一杯やったらアフターフォローもして
御役御免で閉めます、と。
お陰様で 、と言いますか …とにかく自分のことは棚上げの
スーパーハードな毎日でしたね。

患者さんと向き合って感じてたのは、
「何を食べたか?」「栄養は?」「ミネラルは?」
です。

怪我や 不調、健康を損なっても体 •體(からだ)がしっかりしていれば、
回復も早いし、再び ダウンすることも少ないです。が…
周りを見渡すと、コンビニ• スーパーはたくさんあるけれど、
野菜にしても栄養分不足に、ミネラルがない…。

これでは皆さんの頑張りも無理ならざりぬでしょう。
自然と體にいい 栽培 作りが必要!!と、いつかは自分で、無農薬•
自然栽培に取り組もうと考えておりました。

過密な日々、流れる月日、気がつけば又 大掃除 (笑)
早いなあ…1年。
そろそろ仕上げの時期かなと思っていた折の、コロナ禍…。

まさか!? 本当に?!
転機となりました。
考えられる 対応 対策を施しながら、余裕が取れるようになった時間で
我に還りました。

「日々の生活の中で深呼吸がしたい。」
「お金じゃない」けど「お金も大事」
ずっと葛藤の中、 資本主義 圏に属しているとね…
どうしても経済至上 主義に陥ってしまう ……。

皆、無理して健康損なうのも 、この 無理 我慢 頑張りからでしょう…。
かく言う私も 疲労困憊し…疲弊してました。

なので図らずも天から人生リセットの時期(タイミング)が来たと思い、
田舎へ引っ越す事にしました。

「自然を感じて暮らしたい」
「好きと自由と楽しく共生して暮らしたい」
という思いが、元々あったんです。

自然栽培を通じて、自然にも體にもいい暮らし。
そして、遠ざけてた 「自分の幸せ」の 棚おろしをしていこう!と。

ここまで来れたことに感謝。様々なことに 、人に感謝しかない。
整骨院を閉める 通知を皆さんにして こちらに来ました。

ーーこちらで、不便はありませんか?

充分です。
市内は、オーバースペックですね。
コンビニも1コあればいいのに、5コも6コもあるでしょう。
便利に越したことはなくて、そういう面白さはあったけど、
それだけ必要かと言われたら、、
スーパーでお客さんの取り合い。
ロスが出て、廃棄するわけですよね。
捨ててる食材ってものすごい量じゃないですか。

今は、いるものだけ移動販売車で買います。
トラックに、いろんなものが積んであるんですよ。
食材はほぼ網羅されてて、日用品で必要なものも全部
入っている。
値段も良心的だし、ぜんぜん不自由ないですね。
生協のカタログも 7〜8千種類くらいあるし。

下手したら街なかより恵まれているかもしれない。
全部、持ってきてくれはるから(笑)

物質的には全然。
あとは、やりたいことやって。

若かりし頃は物欲が強かったですね。
物質的な豊かさというのを実感し続ける世代だった。

今はテレビもないし、無くたって自然があれば、
いいくらいになってる。

精神的な心の豊かさ。
物質の豊かさを超えて、心が幸せやなぁと感じる原点のところに
半生は生きたいなと。

「無音」の良さ

こっちの人はみんなおっしゃるんです。
「何にも無いで。」と

無いことないですよね、いっぱいありますよ。
都会には無いものばっかりですよ。

都会でトンボなんて見なくなりました。
こっちは、タヌキもいるし、鹿もいるし。
自然の織りなすシンフォニーみたいな中にいてて
それが面白いんですよ。

「無音。」都会ではないです。

都会は個人が全体になっちゃうでしょ、俺が私が、、
人間しかほとんどいないので。

風、雨強いし、でもそっちのほうが面白いと思うんです。
都会の快適よりは対極的な存在だけど、
はじめから快適を求めるつもりでこっちに来ていない。
でも、違うアプローチの中ではこっちのほうが快適なんです。

ご近所さんもゆったり、肩肘張らなくていいし。
まわりも気持ちのいい方で、助言とかもくれはるし、
生き字引みたいな人ばかり。

都会では自分がいいと思っても周りの人に合わせないといけない。

神様はみんな違うように作っているのに、
まわりを尊重してしまうとそれがつぶれてしまう。

神様から、この状態でいってらっしゃい、となって来ているので、
その状態で行って帰ってきました、というほうがいい。

ーーなぜ、ここに決められたんですか?

海が好き。
わざわざ都会にいたときも何時間もかけて海に来ていました。
海が近くにあること、山川田んぼ畑、澄んだ空気。水。広い空
鳥がしっかり飛んでいて、虫もいる。
夜は静かで、静寂があって、夕日がきれいなこと。

ここに決めるまで、日本のあっちこっち見に行きました。
関西圏はぐるっと全部いったかな。
中国、四国、九州も大分あたりまで行きました。

なぜか東日本はあまり興味なくて、
海はあるけど、なにか寒いような気がしたのかな?
西日本ばかり行って、最終的にここに決めました。

ここ、丹後のほうは、小さい頃から海水浴に家族で来ていたんです。
久美浜にずっと小さい頃から、13年くらい連続で。
その後も、泊まりで家族できていて、雰囲気いいし、
昼間は暑いけど日が暮れると涼しいし。
アロハシャツ、ぞうりで歩けるような感じで、
気候もいいし、人もいいし、穏やかな落ち着いた、
ほっこりする所だなというイメージは元からありました。

そういうのもふくめて、視野に入れながら、山の造形、
田畑の具合、生活と農業の関わり具合みていると、
ここがベストだと思いました。

夕日も綺麗ですよー
夜でも快晴の日はものすごい星が綺麗、
天然のやつがみれます。
都会なんてプラネタリウムにお金を払って見に行くんですから、、。

夕方になったら、ひぐらしが鳴いて、これがまた幸せなんですよ。
間もなく日が暮れます。今日も1日御苦労様でした、と。

以前の私は、全く逆の生活をしていたので・・・
その日に寝れたら御の字みたいな。

自分を押し殺して我慢をして、苦しい思いをしている人が
圧倒的に多い気がしますね。
それができるのが日本人のすごいところと思うけど、
物質的には豊かになったし、もうそろそろ転換していいと思うんです。
お金に振り回されるのは終わりにして、、
何をもって幸せかは人によって違うんでね。