たんたんターン 京都府

SITE TOP
Post Date / 2024.02.16 Fri

福知山を子育てしやすいまちに

足立喜代美さん 福知山市出身、福知山市在住
NPO 法人おひさまと風の子サロン 理事長/子育てコンシェルジュ※
※京都府が認定した利用者支援専門員

LINEで気軽に相談

深夜にピコンと LINE の着信音が鳴った。「子どもが熱を出して……。どうすればよいでしょうか」。地域の保護者からの相談だった。
足立さんは、福知山市内にある子育て NPO 法人「おひさまと風の子サロン」の理事長だ。市から子育て交流・相談・支援事業業務の委託を受け、子どもとその保護者を支援している。
LINE を使えば、時間と場所に縛られずに相談できる。子どもが寝た後の夜に相談は来ることが多い。病気や発達、子どもとの関わり方をはじめ、他人には相談しづらい悩みを打ち明けられる場として頼りにされている。「励ましてあげることしかできない」と足立さんは言うが、その励ましが保護者の負担や不安を和らげているのだろうと感じる。

⇧おひさまと風の子サロン

活動17年、つながり全国に

足立さんは 、自分の子どもが 3 歳と 1 歳のときに市の子育て交流会に参加した。しかし、あまり思うような交流ができず、むしろ寂しくなってしまった。
他の人にはそんな思いをしてほしくないと思った足立さんは、その後にすぐ子育てサークルに参加して、そのままリーダーとなり、子育てひろば「おひさまひろば」の運営にかかわった。
その後、2007年に「おひさまと風の子サロン」を立ち上げた。翌年から市の事業の委託を受け始め、2016年からは拠点施設である“すくすくひろば”の運営を受託した。利用者はどんどん増えて、コロナ前は月に平均1200 人、今では月に平均600人ほどが訪れている。
福知山市は長田野工業団地や自衛隊の駐屯地があるので、転勤が多い人がたくさんいるまちである。足立さんは長年の活動で全国各地に子育てネットワークを持っていて、もし利用者が京都府外に転勤になっても転勤先の地域の子育て支援施設などにつなぐこともあるという。

 

まずはお母さんを笑顔に

足立さんが活動の中で特に大切にしているのは、まずお母さんを笑顔にすることだ。妊娠、出産後はホルモンバランスが急激に変化して体調を崩しやすい。そんな時期には足立さんをはじめとした経験豊富なスタッフの存在は心強い。
「お母さんが笑顔になれば子どもも笑顔になります。逆にお母さんが緊張するとそれが子どもにも伝わって、子どもも緊張します。だからこそ声をかけて緊張をほぐしてあげることを一番に意識しています」と足立さんは語る。
お母さん同士の交流もできる。そして、子どもは楽しく遊べる。お母さんにも子どもにとっても憩いの場なのだ。

⇧保護者さんたちと交流しているところ

「後進を育てたい」

市の子育て交流・相談・支援事業業務は公募で事業者が決まるため、今後もずっと携わることができるかどうかはわからない。それでも足立さんはすべての親に「子育てが楽しい」と思ってもらえるような支援が根付いていくように活動していくつもりだという。
「おひさまと風の子サロン」の運営に携わって17年。活動を通じて各地に数多くの仲間ができた。足立さんは「このネットワークを他のスタッフさんにも引き継いでいけるようにして、これからのために後進を育てたい」と考えている。

 

・編集後記
足立さんは私たちがインタビューしている最中もずっと笑顔で、楽しそうに話をしてくれた。いつも笑顔の人にはついて行ってしまいたくなるものだと思う。
この貴重な経験を無 駄にせず、私たちもいつも笑顔で明るく振舞っていければいいなと思った。

京都府立大江高等学校 三沢心太郎
京都府立工業高等学校 大町理乃