綾部市は、京都府の中央北部に位置し自然豊かな里山とものづくりを中心とした産業が集積する地方都市である。バスや鉄道を中心とする公共交通機関はあるものの、運行されている地域や本数は少なく、車での移動が多い地域となっている。
大都市から綾部市の中心市街地に移住してきた和田知子さんに、あまり車を頼らずに生活するコツについて聞いた。
和田知子さんは、2011年に大阪から夫の転勤に伴い移住してきた。
現在は、綾部と大阪の二拠点生活をしながら、「リブラブフラワーズ」の屋号でフラワーデザイン、雑貨デザインや規格外の野菜を使った作品作りにも携わっている。さらに「中丹素敵農女会研究所」の主宰をし、「素敵農女カフェ」といった女性が集う場を提供するイベントを開催している。研究所のマスコットキャラクター「あやべふるさと大使#農子」とともに地域おこしに取り組む。
農子ちゃんは、田舎女性のブランディングに向けて様々なものを漫画にして紹介している。FacebookやInstagramで「怒りキャラ」として怒りコメントを投稿し情報発信している。
工夫を凝らした綾部の暮らし
綾部市では、車を一家に一台、いや、一人一台は持っているという方も多いのではないだろうか。
車が移動手段の中心である綾部市に住む彼女は、免許を持っていない。それは、和田さんの父親が鉄道関係の仕事に就いていて公共交通機関を大切にしていたこともあり、車の免許を取ることに縁がなかったからだ。
住む場所を決めるにあたっては、まずは都市機能を備えた市街地に住むことを考えた。車を使わない生活を行うのであれば、駅やスーパーマーケット、病院など、生活をしていくうえで必要な施設が揃っている立地が優先される。
次に、公共交通機関を移動手段と考えたときに、乗り遅れないよう数分前行動を心掛けるようにしている。どうしても車での移動が必要な時は、友達の車に乗せてもらうようにもしている。
「ひとめぼれ」したひとにアプローチするように
友達を作るために大切なことは、自分から声をかけることだ。
綾部市での地域活動の出発点は、綾部市出身で半農半Xを提唱する塩見直紀さんのコンセプト塾で京都府主催のスモールビジネス女性起業塾への参加をしたことだ。「ひとめぼれ」したひとにアプローチするように出会った人たちに、挨拶を交わすだけでなく、季節の移り変わりなどの話をきっかけにして積極的に話しかけることで、会話がはずむようになった。塾で4年間事務局として携わる中、人と人とをX(クロス)したことでいろいろな方とつながりを持つことが出来た。また、あやべ特産館にある綾茶カフェを会場に行われた、塩見さんの私塾「綾部ローカルビジネスデザイン研究所」に参加し、さらに多くの方とつながることが出来た。
あやべ特産館の隣には市民ボランティア「綾部バラ会」が管理運営している綾部バラ園がある。そこでの活動を通じて管理本部長の今村博樹さんと出会うことができ、普段の生活ではつながることがない山崎善也綾部市長やFMあやべ社長の井関悟さんとも知り合うことができた。
京都府北部地域で活躍されている方に積極的に会いに行くことで、多くの方とつながりを持つことができ、長く友人としてお付き合いすることができている。
こうして友達の輪は広がっていく。
(綾部高校 大槻沙帆)
(綾部高校 馬場美織)