京都府北部 新職業図鑑 “創職”先進地域・京都府北部で出会う、新しい働き方

京都府北部・与謝野町

高度な技術で世界にひとつの商品を。 街の製作所が生み出す、スモールビジネスの新しい形

スペシャリティー自転車エンジニア小西 栄二
与謝野町
ものづくり
クリエイティブ

ほかの人には真似できない、自分だけの技術をカタチに。

福知山市に隣接する与謝野町で金属加工会社「WELD ONE」を営む小西栄二さん。チタンを溶接するという超高度な技術を駆使して、オリジナルのチタン製自転車やオートバイ競技用パーツを製造。アメリカのハンドメイド自転車の展示会「NAHBS(North American Handmade Bicycle Show)」で話題をさらうなど、世界的にも注目を集めています。
「自分にしかできない技術をカタチに残したい」それが小西さんのものづくりの原動力。チタンを選んだのも「加工が難しく、なかなか真似できないだろうなと思って。技術者にとって挑戦しがいのある素材なんです」と笑います。美しい曲線にチタン特有の青みを帯びた虹色の模様など、手作業だからこそ表現できる世界でたった一台のオリジナル自転車が、自転車愛好家の間で話題沸騰。オーダー後数ヵ月待ちという人気になっています。


全国でもトップクラスの溶接技術(溶接技術大会関西1位!)を擁し、2011年に独立。奥様の故郷・与謝野町に工房を、3年前に同町にショールームをオープンしました。

「チタンを使って、日本はもちろん、世界でもここにしかないものを作りたいんです」と小西さん。これまでに自転車やパーツのほか、チタン製のコーヒー焙煎機やピザ窯といった調理器具を発表。現在はチョコレートに使用するカカオ豆用の焙煎機を開発中と、新しいアイデアがどんどん浮かんでくるそう。ひらめきと熱意、実行に移す行動力があれば、都市部に暮らさずとも世界に対抗するものづくりができる。今後もローカルにおける「スモールビジネス」の新しい形を発信し続けてくれそうです。


チタンの接合にはかなり高度な溶接技術が求められるそう。全国でもトップクラスの溶接技術(溶接技術大会関西1位!)を持つ小西さんだからこそ作れる、しなやかで乗りやすく、強高度な究極の自転車です。

PROFILE

小西 栄二(こにし えいじ) さん

高校卒業後、神戸の造船所で溶接を担当。溶接技術の全国大会へも出場を果たすなど、技術者としての腕を磨く。2011年に退職し、与謝野町に「WELD ONE」を設立。チタンを溶接するという高度な技術を駆使して、オリジナルのチタン製自転車やオートバイ競技用パーツを製造。2016年には同町にショールームもオープン。バイクや自転車に精通し、休日は子どもや仲間とともにモトクロスやマウンテンバイクで山を走る。

INFORMATION

WELD ONE(ウェルドワン)

チタン、アルミなどのオートバイ用特注部品加工や、チタン合金製競技用自転車オーダー製作、ボイラーや圧力容器などの溶接修理を行う。近年はチタン製のコーヒー焙煎機など、調理器具の開発にも力を注いでいる。

場所京都府与謝郡与謝野町明石2399
URLhttp://www.weld-one.com

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