京都府北部 新職業図鑑 “創職”先進地域・京都府北部で出会う、新しい働き方

京都府北部・与謝野町

「戻るつもりはなかった」のに、サーフィン好きが高じてUターン。 仕事と趣味を切り離さなくてもいい毎日で創造性もUP!

サーファーCEO楠 泰彦
与謝野町
ものづくり
クリエイティブ
サービス
伝統
海・港

KUSUKA

京都府北部・丹後地方は、日本の渚百選にも選ばれた美しい琴引浜を抱える海辺の土地。また、江戸時代中期より約300年続く丹後ちりめんが有名で、和装の需要が減少した今なお、和装用白生地の約6割を生産する国内最大の絹織物産地です。そんな丹後地方の小さな町・与謝野町に、ユナイテッドアローズや銀座和光、阪急百貨店などで取扱いがあり、Discover JAPANや家庭画報など多数メディアに掲載される服飾アクセサリーブランド「KUSKA」があります。KUSKAの主力商品は丹後ちりめんのネクタイ。全て手織りで職人ひとりが1日に作れるのはたったの3本。けれど手織りならではの柔らかで立体的な織りから生まれる風合いに、多くの人が魅了されています。2016年からはイタリア・フィレンツェで開催している世界最大のメンズファッション展示会「PITTI UOMO」にも参加。海外からもその技術とデザイン性の高さを評価されています。


丹後ちりめんの技術の一つ、「絡み織」でつくられたネクタイ。丹後の海の色をイメージした”丹後ブルー”。

Uターンして初めてわかった丹後の魅力。「ALL HAND MADE IN TANGO」に込めた思い。

KUSKAは丹後で約80年続く織元、クスカ株式会社の3代目楠泰彦さんが作られたブランドです。もともと東京で働いていた楠さん。

「そもそも家業を継ぐなんて全く思ってなかったんですよ」とのこと。戻るきっかけはなんだったのでしょうか。「実はいい波を探しに世界中旅するほどサーフィンが大好きで。丹後の海がすごくいいと書かれた記事を読んで、丹後なら仕事とサーフィンを両立した生活が送れるかもなと思ったんです。」
そう仰る通り、いい波が来ると聞けば海へ出かけ、波待ちの間に仕事のアイデアが浮かんで急いで会社に戻る、なんてこともあるそう。

「東京で暮らしている時には気がつかなかったけれど、丹後だからこそ生まれた文化や風土が実に豊かなんです。日本が誇る丹後ちりめんの技術が育まれたこの土地から、KUSKA商品を世界中に送り出したいですね。それで地元に恩返しができれば嬉しい限りです」

Made in JAPAN でもKyotoでもなく、ALL HAND MADE IN TANGO。KUSKAのネクタイのタグには楠さんの丹後への誇りが詰まっているようです。

熟練した職人によって、一つ一つ丁寧に織り上げられていく。


丹後の海でサーフィンを楽しむ楠さん。

PROFILE

楠 泰彦(くすのき やすひこ) さん

クスカ株式会社の3代目社長。東京からUターン。前職は建設業。趣味以上の存在となったサーフィンを丹後の海で満喫しながら、世界唯一の手織りネクタイKUSKAブランドを国内外へ広めるべく日々奮闘中。

INFORMATION

KUSKAのネクタイが織られている工房へ見学可能。熟練の職人技が見られる貴重な機会です。工房で商品購入も可能なので、見学後の買い物も楽しみのひとつに。

URLhttps://www.kuska.jp

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