昼休憩や休日は、大好きな釣りの時間。魚づけの毎日が楽しいそう
丹後半島の北端にある漁師町、伊根町。江戸時代より継承される船の収納庫の上に住居を構えた「舟屋」はこの地区独特のつくりで、重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。この景観と美味しい海の幸を求めて年間30万人近い観光客が訪れる伊根町へ、夢を叶えるため、ひとり移住してきた青年がいます。
田中晃斗さんは、中学卒業してすぐに伊根町に移住してきました。
こんなに若くして縁もゆかりもない土地へ移住を決めるとは、とても勇気のいることだと感心するばかり。
「どうしても漁師になりたかったんです。」
その語り口から感じる意志の強さで、躊躇せず移住できたようにも取れます。けれど、やはり不安はあったそう。
田中さんにとってみれば、ひとり暮らしも就職して働くということも、全て初めての経験。いったいこれからどんな日々を送るのか、見当もつかなかったと言います。
「生活に慣れるまではホームシックになったり、正直、戸惑うこともありました。でも、近くにスーパーがないので『一緒に買い物に行く?』と声をかけてくれる人がいたり、野菜や晩御飯のおかずをおすそ分けしてくれる人がいたり。新しく家族ができたみたい(笑)。こうしていつも気にかけてくれる人がいるおかげで、半年で伊根町にすんなり馴染むことができました。今では休みに釣りを楽しむ余裕もでてきたんですよ。」
就職先(社名は出した方が良い?)からは特に可愛がってもらっていて、年齢の近い先輩はお兄ちゃん的な存在として、趣味の釣りや日々のたわいもない話で盛り上がるそう。
海を一望できる一軒家でのんびり暮らし、休みごとにふらっと釣りに出かける。仕事と趣味の時間を大切にしながら自分らしい暮らしのリズムを作っている田中さん。家族のように見守ってくれる人たちに支えられて、一人前の漁師になる日はそう遠くないはずです。
愛知県出身。中学卒業後、漁師になる夢を叶えるべく伊根町へ単身移住。蒲入水産の最年少漁師として定置網漁をする毎日。
蒲入水産の「漁港めし」
田中さんの勤務先・蒲入水産では「漁港めし」が味わえる。「地元の海で採れた新鮮な海の幸をふんだんに盛り込んだ、漁師料理」とのこと。
URL | http://kamanyu-suisan.co.jp/meshi.html |
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