この店の魚介類は、お隣の舞鶴市にある京都府漁業協同組合が運営する舞鶴地方卸売市場で仕入れています。
この市場には、京都府沿岸で水揚げされた魚介類の約8割が集荷されています。多種多様の鮮魚から選ぶことが出来ます。
ちなみに、社長は、舞鶴水産流通協同組合の組合員で、この市場のセリに毎朝立ち、新鮮な魚介類を仕入れる買受人の資格も持っています。
社長は、以前、京都府内一円でスーパーマーケットに入る鮮魚店を展開していました。でも、お客様の消費行動の変化に対応して、徐々に出店を取りやめ、現在はゼロ。
その理由は、3年前、京都縦貫自動車道が全線開通し、京都市内へのアクセスが格段に改善されたことにあります。この状況を、社長は見逃さなかった。また、取引先の変更も考えていました。それは、海から遠い消費者は、なかなか、鮮魚を買って、自分では捌かない。それよりも、「海の京都」の新鮮な魚をいち早くほしいと考えていたのは、京都市内の飲食店だと目を付けていたからでした。
京都市内のスーパーで鮮魚を扱っていた頃から気付いていたそうです。なぜなら、そこでの「お客様」は、「プロ」ばかりだったから。
京都市内の飲食店で、朝獲れの鮮魚を使った料理をお客様に出すことは、その店の大きな魅力となるはず。そこで、生み出された仕組みはこれ。
毎朝、9時から舞鶴地方卸売市場では、セリが始まり、社長がセリ落とした鮮魚の写真を登録済みの顧客数十件にLINEで送信する。LINEで注文を受け、午後4時までに、直接、小型トラックで京都市内の飲食店に配達する。
このビジネスモデルは、日々進化しています。配達するものは、鮮魚だけとは限りません。朝採れの「京野菜」や産みたての玉子も今では取扱っています。
実に多くの商談会に参加しています。昨年は8回も。また、社長の商談会での行動パターンが凄い!
当然、「舞鶴漁港直行便」の納入先の開拓が最大の目的。と思いきや、時間を見つけ、自社ブースを離れ、生産・供給側の出展ブースをほとんど回り、名刺を配る傍ら、飲食店からのリクエスト品を探す。良い品を見つけると、一度、サンプルを飲食店に紹介しますと。
そんなアイデアマンでいて、夢は「食」を通じて、京都市内と「海の京都」を繋ぎ、共に栄えること。京都北部では、こんな起業家も生んでいます。