京都府北部 新職業図鑑 “創職”先進地域・京都府北部で出会う、新しい働き方

京都府北部・舞鶴市

サードプレイスを街中に! 京都・舞鶴のレトロな街にコミュニティスペースを。

大滝 雄介
舞鶴市
クリエイティブ
コミュニティ
サービス

地域の人を巻き込みながら、舞鶴市をもっと楽しむ。

 城下町も漁港も里山もあって、“程よく田舎”という舞鶴市。『KOKIN』は、この街に職場と家以外の“サードプレイス(心地のよい第3の居場所)”を作る活動をしている団体です。チームの代表を務める大滝雄介さんは、25歳の時にUターンで舞鶴市に戻ってきました。「学生時代には感じなかったんですが、生まれ育った街を改めて見直してみたら、レトロで面白い街だなという印象を受けたんです。この街の良さをどうしても残したくて、30歳のときに仲間2人と一緒に『KOKIN』の活動をスタートしました」と大滝さんは言います。
 「KOKIN」の活動テーマは“まちを楽しむための場所づくり”。そして、地域の人と一緒になって、“みんな”で場所を作っていくことも大切にしているそうです。「カフェやゲストハウスなど、さまざまな用途に使われているレンタルスペース『宰嘉庵(さいかあん)』は、土壁塗りのワークショップを開催し、街の人々の協力を得ながら誕生した場所です」。


街の人々が複数参加してくれた『宰嘉庵(さいかあん)』の土壁塗りワークショップの様子。

 また、2016年にプロデュースしたチャレンジカフェ&バー「FLAT+」も、要注目のサードプレイスのひとつです。「日替わり店長制の『FLAT+』は“食”を通じて交流できる場所であり、『飲食店をやってみたい!』という人が気軽にチャレンジできるような場所にもなっています。さまざまなイベントを企画しながら、『自分の枠を広げたい!』という人たちを応援できるようなスペースになればという思いで運営しています」と大滝さん。


旧薬局をリノベーションした『FLAT+』。昼はカフェ、夜はバーとして営業している。

 他にも、城下町の風情や息遣いを感じられる写真集「ぼくのまち」の制作や、アーティスト・イン・レジデンス「京都:Re-Search in 舞鶴」など、今では「KOKIN」の活動の幅はどんどん広がっています。
 レトロな街並みを未来へ繋ぎ、多くの人たちを巻き込みながら活動を続ける「KOKIN」。経営とロマンを追求し、実践を重視しながらさまざまな取り組みに励む大滝さんは「なによりも、自分が一番楽しんでいます」と言います。楽しみながら活動を続ける大滝さんの姿に感化され、子供からお年寄りまで幅広い人たちが一体となり、舞鶴市をより面白い街へ進化させています。

PROFILE

大滝 雄介(おおたき ゆうすけ) さん

1982年舞鶴生まれ。1997年に西舞鶴高校へ入学、2000年に千葉大学工学部へ進学。2004年に㈱NTTデータへ就職。親御さんが体調を崩されたことを機に帰郷し、2007年に家業である㈱大滝工務店へ。2015年、同社代表取締役に就任。一級建築士。本業の傍ら、まちを楽しむ任意団体「KOKIN」の代表を務める。

KOKIN さん

20~50代の人たち約10名から構成される任意団体。「まちを楽しみ、発信する」ためにさまざまな活動をしている。拠点は、自分たちの手でリノベーションした小さな町家「宰嘉庵(さいかあん)」。

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