京都府北部の丹後半島北端にある伊根町は、穏やかな伊根湾に沿っておよそ230軒の「舟屋」が建ち並ぶ舟屋の街。国の重要伝統的建造物群保存地区として選ばれた街並みを目指して、国内外から多数の観光客が訪れています。そんな伊根町の観光拠点として舟屋群の一角に誕生した複合施設「舟屋日和」。永濱志穂さんは、そちらにあるカフェ「INA CAFE」で店長兼パティシエを務めています。
「学校を卒業後、大阪でパティシエをしていたのですが、海のない生活が寂しくて。帰省したときは、海ばかり見て過ごしていました」。一度都市に出たからこそ、伊根の良さが見えてきたという永濱さん。「舟屋日和」の責任者から「パティシエの経験を活かして「INE CAFÉ」の店長をやってもらえないか」との連絡を受けたときも、「伊根はずっと帰りたかった場所。地元で新しいチャレンジができることにも魅力を感じて、その場でお引き受けしました」
「伊根の街をゆっくりと楽しんでもらえる観光受入体制の充実」を目的に作られた「舟屋日和」。永濱さんも地域の活性化を担う一人として、地元の住人や生産者とも繋がりながら、都市で磨いたパティシエの技術を地元で遺憾なく発揮しています。
「カフェではケーキは現在5種類のケーキを提供しています。伊根町山間部の寺領地区で育てたサツマイモ・鳴門金時を使用したモンブラン、伊根の地酒の酒粕を使ったパウンドケーキなど、地元食材を使ったケーキが人気。地元産の食材を使うことで、少しでも地域の発展に役に立てたらいいなと思っています」自分のスキルを武器に、その地域にはなかった新しい仕事や楽しみを生み出していく。地方だからこそチャレンジできる新しいビジネスの形です。
京都府伊根町出身。パティシエを志し、高校卒業後に大阪の製菓専門学校へ進学。その後いくつかの有名店でパティシエとしての腕を磨く。2017年「舟屋日和」のオープンを期に帰郷。施設内のカフェ「INE CAFÉ」で店長兼パティシエを務める。
舟屋が立ち並ぶ伊根浦エリアに観光客がゆっくりと立ち寄れる場所が少ないことから、「伊根をゆっくり楽しんでもらえる観光受入体制の充実」を大きな目的として作られた観光交流施設。町内の民間有志による会社「Sabai」が、施設の運営管理を担う。施設内には「INE CAFE」や伊根で捕れた新鮮な魚介を供する鮨割烹「海宮」があり、近隣の舟屋宿の宿泊者の食事処としても活用。高齢化や担い手不足によって食事提供などが困難になりつつある宿にとっても、頼もしい存在となっている。
場所 | 京都府与謝郡伊根町字平田593番地1 |
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電話番号 | 0772-32-1720 |
営業時間 | 11:00-17:00(L.O.16:45)、土日祝10:00-17:00(L.O.16:45) |
定休日 | 水曜 |
URL | http://funayabiyori.com |