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京都府北部・宮津市

漁師町で夜中から聞こえる音! 歴史と愛情がつまったちくわを作る、廣瀬商店のご夫婦の思い

廣瀬 真澄
宮津市
ものづくり
海・港
農・食

宮津の漁師町で地場産品のちくわやかまぼこ、天ぷらをつくっています

宮津市の漁師町。その名のとおり、漁船が浮かぶ海のそばであり漁師さんが多く住む町。干物を作ったり、魚釣りをしていたり、魚を狙うかもめが飛び交う、そんな場所で、魚のすり身をかまぼこやちくわに加工している廣瀬光昭さん、真澄さん。ご夫婦を中心に有限会社廣瀬商店を営んでいます。

「宮津は自然豊かな所。お祭りや地域の行事を通して世代を超えて集まる機会がたくさんあり、人とのつながりがとても強い場所です。」と真澄さんは話します。

真澄さんは、滋賀県守山市出身。学生時代の友人を介して光昭さんと出会い、結婚を機に宮津へ移住しました。「公共交通機関が充実している守山に比べると、電車やバスが少なくて、通学等の行動(活動)範囲が限られてしまう。でも、子育ての時に感じたのですが、幼稚園や学校の情報など、自分で調べることが多い都会と違い、宮津の人は色々と親切に教えてくれて、とても子育てしやすい街。人がとても温かいです。」

廣瀬商店は、光昭さんで4代目。創業以来100年以上、宮津の伝統の味を守ってきた練り物屋さんです。
ちくわ作りは夜中に始まります。周りが寝静まっている深夜1時過ぎ、漁師町のかまぼこやてんぷらをつくる練り物屋には明かりが灯り、カシャンカシャンという音がまちに響きます。

 夜の8時頃には就寝し、夜中の12時半に起床。朝ごはんの準備もあるため、真澄さんの仕事が終わるのは周りが明るくなった午前6時。昼間は、注文を受け付けたり、時には仮眠をすることも。人とは違う生活リズムに慣れるのは、はじめは苦労したけど「伝統の味を次世代に引き継いでいきたい」との思いで毎日、頑張ります。
「この宮津に残る自然や祭などの文化とともに絶えることなく、地場産業を後世に残していきたい」と真澄さん夫婦は話します。

PROFILE

廣瀬 真澄(ひろせ ますみ) さん

滋賀県守山市出身。2006年に宮津に移住。

INFORMATION

有限会社 廣瀬商店

作っている商品:宮津ちくわ(黒ちくわ・白ちくわ)、かまぼこ、てんぷら
商品の卸先:スーパーさとう、スーパーにしがき、スーパーフクヤ、いととめなど
休日:日曜・祝日
電話:0772-22-2353

場所宮津市字漁師1739-2

WRITER

廣瀬 知子

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